インフルエンザなどの感染症の初期症状には漢方薬を

先日11月22日、第2回漢方辻説法を竹内源造記念館で実施し、その際に「インフルエンザ等の感染性疾患の漢方薬による対応」に関してもお話いたしました。インフルエンザ、はやってきました。手洗い、うがい、栄養補給(三食しっかりバランスよい食事をとること、特に朝)、体を冷まさないこと(お風呂につかる)、は防衛の基本中の基本ですが、時に漢方薬もたよりなることも示しました。以下に要約しておきます。漢方薬は「第2類医薬品」としてドラッグストアーなどで簡単に買えますので(医師薬剤師の関与が不要)、副作用に留意の上、ご利用いただければと思います (注:自己責任でお願いします)。

1) 西洋薬(純薬)の場合は、抗ウイルスを想定しているので、変異株が現れると薬も変えなければなりませんが、漢方薬の場合は、体の種々の防衛機能をウイルスの存在位置に合わせて活性化させ専守防衛で対応するので、どの様な種類のウイルス・細菌にも対応できます(ただし、超初期症状の場合に限る)。

2) のどは感染防衛の最前線。のどの調子が悪いときは、そこで防衛戦が展開されているので、「麻黄湯」で応援してあげて下さい。ただし、人によっては動悸やのぼせなどが起こりますので、心臓に問題のある方は注意。また、夜眠れなくなることがあるので、寝る前の使用は注意。なお、咳があっても、漢方の咳止め「麻黄甘石湯」は使わないでください、のどを冷やすので、ウイルスが増強し、体内に侵入します (同薬はぜんそくなどの咳に使います) 。

3) ちょっと病状が進んで、軽い熱がある時や、肩・背中が凝ったり、だるさがある場合は「葛根湯」が良いです。解熱剤と一緒には使わないで。

4) 熱があってもまだそれほどでもない場合は、解熱剤は使わないで! 熱を下げるとウイルスが元気になります!! 水枕で頭を冷やして、葛根湯を飲んで寝て下さい。ただし、39℃近くになった場合は、脳を守るために解熱剤を使うとともに、使って熱が下がっても必ず直ちに医療機関を受診して下さい。

特に大切なのは4)。体を冷やす行為は危険です。また漢方薬を使う場合は、合わないと思ったらすぐにやめてください。また使用期間も2~3日にとどめてください。明らかにインフルエンザが疑われる場合は、医師の診察を受けて下さい。(文責:薬学博士・東田道久)